定着体がファインセラミック製であるため、コンクリート表面付近にせん断補強鉄筋の定着部を配置でき、既存のRC構造物において高いせん断補強効果が期待できます。
セラミックキャップバー(CCb)工法で補強した部材のせん断耐力は下式で求まります。
Vd=Vcd+Vsd+Vccbd
例えばD19の場合、部材厚400mmで約0.8、600mmで約0.9、1,000mmで約0.95となり、従来工法と比べて高い補強効率を期待できます。
また、背面側の鉄筋に干渉するなどの事由によりセラミックキャップバー(CCb)の先端位置を主鉄筋の図心位置より手前に設置する場合は、別途定められた方法で補強効果を照査します。
コンクリート表面に最も近い補強材の定着部に、耐食性に優れたファインセラミック製の定着体を用いることで、補強後の高い耐久性を実現します。
セラミックキャップバー(CCb)を壁や柱に横向きに設置・固定する方法としては、専用の貯留槽に高流動グラウトを満たした状態で行う方法と、削孔内に可塑性グラウトを満たしてから挿入する方法があり、壁面の状態などに応じて適切な方法を選べます。床版などに下向きに設置する場合は高流動グラウトを用い、上向きの場合は可塑性グラウトを用いることで迅速・確実な施工が可能です。また、セラミック定着体とねじ節鉄筋は現場で組立てるため、削孔後にセラミックキャップバー(CCb)長の変更が必要な場合でも現場で迅速に対応することができます。
使用機材は、レッグハンマードリルやコアドリル等のコンパクトな機材のみで狭隘な空間や複雑な部位においても、大型機材を用いずに、容易に施工できます。
セラミックキャップバー(CCb)の長さより作業スペースが狭くて一本物での挿入が出来ない場合についても、複数本の補強鉄筋を機械式継手で接合し順次挿入することにより容易に施工することが出来ます。
地中梁や構造物の隅角部など配筋が密で標準型での施工が困難な部材に対して、両端を先端型定着体としたセラミックキャップバー(CCb)を適用できます。また、水門の門柱などで両側からの施工が可能な場合には、両端を後端型定着体とすることもできます。